事象
バックアップ操作とバックアップアクティビティは、アクティビティの一覧に表示されます。ターゲットのロケーションで、アーカイブが作成されました(これらのアーカイブを確認するには、管理コンソールの [バックアップ] ページをチェックするか、任意のファイルブラウザを使ってターゲットのフォルダを参照してください)。
しかし、「Backup did not start」(バックアップが開始しませんでした) というアラートが届きます。あるいは、バックアップが作成された日にちと時刻がバックアップ計画の設定と違うことが分かります。
トラブルシューティング
最初に、タスクの作成(またはタスクの適用)からバックアップの開始までの過程を簡単におさらいしましょう。
主なポイント:
- バックアップ計画には、バックアップが開始すべき時刻についての情報が含まれます(スケジュールされたイベントのないバックアップは、手動で開始できます)。
- バックアップ計画は、Acronis 管理サーバーから Acronis エージェントまたは Acronis アプライアンスに転送され、独立して機能します(エージェントまたはアプライアンスで Acronis 管理サーバーへの接続がなくなった場合でも機能します)。バックアップ計画は、スケジューラのデータベースに保存されます。
- エージェントまたはアプライアンスのスケジューラ コンポーネントは、そのエージェントまたはアプライアンスがインストールされているコンピュータのシステム時刻に従ってタスクを実行します。
- サーバー側で保存されているバックアップ計画にはタスク実行の時刻がスケジュールされているのに、Acronis 管理サーバーがAcronis エージェント側からそのイベントに関するメッセージを何も受信していない場合、Acronis Cyber Backup でアラートが表示されます。
したがって、「Backup did not start」アラートには、考えられる根本原因が2つあります:
- コンポーネント間の通信に問題があります
- サーバー側またはエージェント側、あるいはその両方で、時刻設定が間違っています
エージェントまたはアプライアンスがオンラインで、通信の問題が検出されなかった場合、すべての時刻設定をチェックする必要があります。Acronis 管理サーバーの時刻設定、それから、Acronis エージェントがインストールされているコンピュータ または Acronis アプライアンスと仮想コンピュータのホスト(あるいはそのすべて)の時刻設定をチェックしましょう。
Windows
- いずれかのAcronis エージェント(エージェント for Windows、エージェント for VMware for Windows)がWindows システムにインストールされている場合、スケジューラは Windows のシステム時刻を使用します
- Acronis 管理サーバーもWindows のシステム時刻を使用します
Windows のシステム時刻を変更するために、コントロール パネルにあるWindows の「日付、時刻」設定を使ってください。
Linux
- Acronis エージェント for Linux は Linux のシステム時刻を使用します
- Acronis 管理サーバー for Linux も Linux のシステム時刻を使用します
Linux のシステム時刻を確認するために、Linux ターミナルで date コマンドを実行してください。
システム時刻の設定の仕方は、使用するシステムによって異なりますので、ご自分で調べてください。
Acronis アプライアンス
Acronis アプライアンスのシステム時刻は、以下の設定に影響されます:
1. ESX/ESXi ホスト上のシステム時刻
ESX ホストは UTC (協定世界時) を使用します。Acronis アプライアンスは、ゲストシステムとして、ESX/ESXi ホストから受け取った時刻の設定を使用します。
ESX/ESXi ホスト上の時刻を確認するために、ESX/ESXi ホストのコマンドラインから date コマンドを実行してください。
より詳細な情報については、VMware ナレッジベースの以下の記事をご参照ください:
- ESX/ESXi ホスト環境における時刻同期の確認
- Troubleshooting NTP on ESX and ESXi 4.x / 5.x / 6.x (日本語バージョンもありますが、十分に更新されていない可能性がありますのでご注意ください)
*vSphere クライアントで ESX/ESXi ホストの設定で現地時間が表示される場合、それは、ESX/ESXi ホストの時刻が vSphere クライアントでこのvSphere クライアントが今動作しているコンピュータのタイムゾーンに応じて変換されたことを意味します。
**ESX/ESXi ホストの時刻は、(すべての内部のタイムゾーン計算の後)vSphere クライアントのコンピュータの現地時間と一致しない場合、ホストの [日付と時刻] 設定は赤色で表示されます。
2. アプライアンス上のタイムゾーン設定
デフォルトでは、Acronis アプライアンスは ESX/ESXi ホストの内部時刻(UTC タイムゾーン)を使用しますが、Acronis アプライアンスのグラフィカルインターフェイスでアプライアンスのタイムゾーンを調整できます。
タイムゾーンと時間に関する情報は、date コマンドを使用して、アプライアンスのシェルから取得できます。アプライアンスのグラフィカルユーザーインターフェイスでシェルに移動するために、Ctrl + Shift + F2 を押してください。
こうして、Acronis アプライアンスは ESX/ESXi ホストから時刻を取得して、自分の設定で指定されているタイムゾーンに従ってそれを調整します。
All-In-One アプライアンス(一体型アプライアンス)
基本的に、All-In-One アプライアンスとは、Acronis Cyber Backup Server、Acronis Cyber Backup エージェント for Linux と Acronis Cyber Backup for VMware for Linux が事前インストールされたCentOS ベースの仮想コンピュータです。
システム時刻を設定するには、All-In-One「システム」のコックピット ページにある [システム時刻] 機能を使用してください(コックピットには、http://AIO_IP_ADDRESS:9090 からアクセスできます)。
すべてのコンポーネント(Acronis 管理サーバ、Acronis Cyber Backup エージェント for Linux および Acronis Cyber Backup for VMware for Linux)は上記のシステム時刻を使用します。
All-In-One アプライアンスに関する詳細は、製品資料 をご参照ください。
上記のすべての設定をチェックしても、問題が解決しなかった場合、以下の情報を収集して、Acronis カスタマーセンター へお問い合わせください。お問い合わせの際、この記事を参照したことを伝えてください。
- Acronis 管理サーバーのシステム情報、およびアラートを生成するエージェントまたはアプライアンスのシステム情報
- Acronis 管理サーバーの日付と時刻の設定のスクリーンショット および アラートを生成するエージェントの日付と時刻の設定のスクリーンショット(あるいはアプライアンスで実行された date コマンドの出力でも可)
追加情報
管理コンソールの [デバイス] ページにある [前回のバックアップ] と [次回のバックアップ] という欄には、Acronis 管理サーバーに接続するために使用するブラウザのタイムゾーンに応じたバックアップ時刻が表示されます。
例えば:
- Acronis 管理サーバーのタイムゾーンは UTC+2 です。バックアップ計画で、バックアップの開始は 13:00 にスケジュールされています。
- UTC+4 タイムゾーンのブラウザまたはコンピュータを使って Acronis 管理サーバーに接続した場合、[次回のバックアップ] 欄では「15:00」が表示されます。